コンパクトでデザイン重視(でもそこそこ高性能)な自作PCを組んでみた(1/2)

作ろうとしたきっかけ

これまでメインで使っていたPCは2020年に購入したASUSのCPU:Intel Core i7-10750H、グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 2070を搭載したROG Strix G17 G712LWというゲーミングノートPC。まだまだ使えるけど、そろそろ次のメインPCを検討しようとデスクトップも含め調べていたところ、Mini-ITX(170mm x 170mm)対応のコンパクトでハイエンドな自作PCに興味を持ち、5月の連休に自作することに。

コンセプト

  • デスクの上に置いても威圧感がなくデザイン性重視
  • コンパクトでもゲームや生成AIの用途としてMid-Highのそこそこの性能
  • これまでのゲーミングノートに比べ、高負荷時でも静音であること
  • 予算は30万円程度(OS/モニター/キーボード/マウス/各種ケーブルを除く)

使用パーツ

まずはPCケースを決めるところから、Mini-ITX対応でコンパクトなケースといってもMicro-ATXにも対応したミニタワー(幅20cm、奥行き・高さが40cmくらい)のサイズから、搭載可能なGPUの長さが20cm未満でほぼMini-ITXのサイズに近い5L程度の超小型なものまで様々。

今回GPUはハイエンドの30cmくらいの長さにも対応可能かつ、できるだけコンパクトな10Lクラスのケースを検討。色々と調べた結果、デザイン性重視で、ウォルナット無垢材を使用したフロントパネルのが印象的なFractal Design(スウェーデン)のTerraを選択。一般的なPCケースに比べるとかなり価格が高めですが、今回はデザイン重視ということで。

今回Mini-ITX対応のコンパクト(10.4L)なケースのため、以下の制約を考慮しながらパーツを選定。

  • CPUは簡易水冷や巨大なヒートシンク不要で冷却可能
  • GPUは長さが322mm以下で幅は3スロット以下

続いて、マザーボードとCPUの選定。ハイエンドかつ簡易水冷や巨大なヒートシンク不要な選択肢があるのか探していたところ、MINISFORUM(中国深セン)からモバイル向けのハイエンドCPU Intel Core i9-13900HXを搭載したかなり特殊なMini-ITXマザーボードAR900i(全負荷TDP100W)が良さそうとの結論に。同じくMINISFORUMからモバイルハイエンドCPU AMD Ryzen 9 7945HXを搭載したBD790iのラインナップもあり、性能/消費電力面(全負荷TDP80W)からはこちらの方が良さそうだったけど、このタイミングではAmazonやMINISFORUM公式での取り扱いが無く、今回はAR900iにすることに。

続いてGPUはTerraのケースに収まる長さ322mm以下で幅は3スロット以下、冷却もしっかりしてかつ静音、あとは予算的なところから、ちょうど4月に発売が開始されたASUS DUAL GeForce RTX 4070 SUPER EVO OC Edition 12GB GDDR6Xにすることに。長さも約23cm、幅も約5cm(2.5スロット)とかなりコンパクト、デュアルファンでAxial-tech Fan Design/0dB Technology/Dual Ball Fan Bearingsなど冷却性能/静音性/耐久性にもこだわっているとのこと。

電源はASUSの推奨PSUテーブルを参考に、今回CPUはモバイル向けということもあり推奨の750Wまでは必要は無さそうと思いつつも、余裕を持って750WのSFX電源を選択。

メモリは何かと開発ツールなどで64GBが必要、マザーボードAR900iがサポートしているSO-DIMM、DDR5-5200MHzも対応しているけど価格が結構上がる(4800MHzにくらべ+15,000円)のでDDR5-4800MHzの32GBを2枚とした。
SSDは2TBで、出来るだけ高速なPCIe Gen4(7,400MB/秒)対応のものを選択。

冷却用のファンはCPUのヒートシンクとケース底面に取り付けるため12025ファンを2つ購入。
※最終的にはケース底面に取り付けるファンは電源ケーブルと干渉してしまうため、結局取り付けられず。ただ、CPUのヒートシンクとファン、GPUの冷却性能が高く、またケースサイドのスリットや背面の隙間も多く、これまで使っている感じでは特に冷却面は問題ないことを確認。

以下、今回使用したパーツを一覧にまとめてみた。

パーツ種別メーカー
品名
型番(製品ページリンク)
仕様購入先
(リンク)
価格
※2024/5/5購入時
PCケースFractal Design
Terra Jade
FD-C-TER1N-03 CS8275
Mini-ITX、SFX電源対応、PCIe 4.0 GPU対応Amazon33,136円
マザーボードMINISFORUM
AR900i
Mini-ITX、CPUはIntel Core i9-13900HXを搭載済み、専用ヒートシンク搭載
全負荷TDP 100W
Amazon80,984円
CPUIntel
Core i9-13900HX
※マザーボードに搭載済み
Performance-cores: 8
Efficient-cores: 16
スレッド総数: 32
キャッシュ: 36 MB
グラフィックボードASUS
DUAL GeForce RTX 4070 SUPER EVO OC Edition 12GB GDDR6X
DUAL-RTX4070S-O12G-EVO
Video Memory: 12GB GDDR6X
CUDA Core: 7,168
Size: 227.2 x 123.24 x 49.6 mm
Amazon115,353円
メモリCORSAIR
VENGEANCE DDR5 64GB [32GB×2枚]
CMSX64GX5M2A4800C40
SO-DIMM
DDR5 4800
(PC5-38400)
Amazon24,210円
SSDCrucial
T500 2TB
CT2000T500SSD8JP
PCIe Gen 4 (最大転送速度 7,400MB/秒) NVMe M.2 (2280)Amazon24,874円
電源Silver Stone
SST-SX750-G
SFX 750W 80PLUS GOLDAmazon18,000円
ファンThermaltake
TOUGHFAN 12 2本セット
CL-F082-PL12BL-A FN1500
120mm
500-2000 R.P.M
2.41mm-H2O
58.35 CFM
Amazon3,822円
合計300,379円
パーツ一覧

組み立て

今回使用したPCケースTerraは中央の仕切りの両側にマザーボードとグラフィックボードを配置する構成。この仕切りはマザーボードの厚みやグラフィックボードの幅に応じて可変になっているので、柔軟に調整が可能。今回はマザーボード側67mm、グラフィックボード側(GPU Height<131mm)53mmのConfiguration 3の位置に調整。

Configuration1234567
CPU Cooler77726762575348[mm]
GPU Width
(GPU Height <131 mm)
43485358636772[mm]
GPU Width
(GPU Height <145 mm)
33384348535762[mm]
可動式マザーボードトレイの設定(Terra User Guideより)

各パーツを箱から取り出し、まずはマザーボードへのメモリとSSDの取り付ける。
写真の上側の小さいファン・ヒートシンクにSSDを2枚取り付けが可能。
巨大なヒートシンクの右側にSO-DIMMメモリ2枚を取り付ける。

このあと、マザーボード、電源ユニット、グラフィックボードの順で組み立て。以降の手順について写真を撮り忘れてしまったので、組み立て途中の写真はここまで。

組み立ての中で特に大変だった点は以下の通り。

  • 電源ケーブルの取り回し(マザーボード側):特にマザーボードへの各種電源供給ケーブルが長いのでサイドのパネルに干渉しないよう、無理な力が加わらないように曲げる点
  • 電源ケーブルの取り回し(グラフィックボード側):グラフィックボードが16ピン電源コネクタで上向きのため、こちらもトップパネルに干渉しないよう、無理な力が加わらないように曲げる点

以下完成後の動作確認の様子。コンパクトなケースということで特に電源ケーブルの取り回しが大変でしたが、無事ケースに収めることに成功。

次回は、各種ベンチマークの結果や冷却・静音性能などのレポートを紹介したいと思います。

続きはこちらから。

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